10月18日のUEFAチャンピオンズリーグ(UCL)・コペンハーゲン戦でUCLデビューを飾り、急浮上の可能性を感じさせた岡崎慎司(レスター)。その彼が10月22日のプレミアリーグ第9節・クリスタルパレス戦で今季初の先発フル出場を果たし、後半18分には待望のシーズン初ゴールをマーク。非常に大きなインパクトを残すことに成功した。
UCLから中3日という強行日程を踏まえて、クラウディオ・ラニエリ監督はエースFWジェイミー・ヴァルディを温存。イスラム・スリマニと岡崎の2トップで挑んだ。この組み合わせは今季初の試みだったが、新たなコンビネーションは予想以上にうまく機能したと言っていい。
この日のレスターは、長身のスリマニが最前線に位置し、岡崎がセカンドトップに入って4-2-3-1のような形になるのがベースだった。が、彼らは臨機応変にポジションを入れ替えたり、横に並んだりして、柔軟に役割を変化させていた。ヴァルディと組む時の岡崎は「完全な黒子役」に徹することを求められるが、スリマニとなら、お互いがそれぞれゴール前に出て行って得点を狙えそうなチャンスが生まれる。
例えば、前半42分のアフメド・ムサの先制点のシーン。ペナルティエリア左寄りのところでスリマニ→岡崎→スリマニとボールがつながり、中央に飛び込んできたムサがシュートを決める形だったものの、相手のマークがズレていたら、2人のいずれがフィニッシュに行くことも可能だった。あるいは、ムサのシュートが相手DFに当たっていたら、スリマニか岡崎がこぼれ球に詰めてゴールを決めていただろう。それだけ厚みのある攻めだった。
岡崎の得点シーンにしても、左からの崩しに岡崎が1回関与し、ダニエル・ドリンクウォーターがクロスを上げた瞬間、ファーからスリマニが飛び込んだ。これはDFにクリアされが、そこに詰めた岡崎が豪快に右足を振り抜いた。最初のクロスがうまく合えばスリマニの得点になっていたはずだが、岡崎は持ち前の泥臭さと貪欲さを前面に押し出し、こぼれ球に確実に反応した。このプレーを見ても、スリマニと岡崎の「あうんの呼吸」が感じられる。昨季からヴァルディ頼みだったレスターに、新たな2トップのオプションが生まれたのは、ラニエリ監督にとっても非常に大きな収穫だったに違いない。
その後、クリスティアン・フクスがリスタートから目の覚めるような3点目奪い、最終的にレスターは3-1で快勝。プレミアリーグでは9月17日のバーンリー戦以来、4試合ぶりの白星を手に入れた。順位も12位と前節から1つ上げることに成功。ようやく下位脱出の希望も見えてきた。
UCLの方はここまでクラブ・ブルージュ、FCポルト、コペンハーゲンに3連勝し、G組首位を走っているだけに、グループ突破が決まるまではヴァルディをFWの軸に据え続けるはず。ただ、UCLとプレミアリーグの過密日程が続く12月までは、昨季後半のようなメンバー固定に踏み切ることはないだろう。この先もヴァルディとスリマニが中心なのは変わらないと見られるが、岡崎もローテーションの一角に加わる可能性は一気に高まった。
今後のレスターの対戦カードを見ると、10月は29日のトッテナム戦のみだが、11月に入ると2日のUCL・コペンハーゲン戦、6日のウエストブロミッチ戦、インターナショナルブレイク明けの19日にはワトフォード戦、22日のUCL・ブルージュ戦、26日のミドルスブラ戦というハードなスケジュールを強いられる。となれば、やはり決まったメンバーだけで全ての乗り切るのは困難だ。そういう中、岡崎が要所要所で今回のクリスタルパレス戦のような躍動感を示してくれれば、チームの流れも変わってくる。ラニエリ監督もそれだけ大きな手ごたえをつかんだはずだ。
ヴァルディとリヤド・マレズという昨季の2大得点源が前年のようなゴールラッシュを見せられないでいる中、チームとしても新たな得点源を作らなければならないのは確か。スリマニはその重要な1人になりつつあるが、岡崎も点取屋として積み重ねてきた経験と感覚がある。これまでは「自分にはゴールは求められていない」と本人も違和感を抱き続けていたが、この日を境に託される役割に微妙な変化が起こりそうだ。岡崎を得点源の1人と位置付けるムードが高まっていけば、彼のチャンスも増えるし、数字も着実に上がっていくだろう。そういう前向きな方向に行ってくれれば、日本サッカー界にとっても朗報だ。
岡崎慎司の逆襲に注目しながら、今後のUCLとプレミアリーグを興味深く見守りたい。
http://www.jsports.co.jp/press/article/N2016102411510302_2.html
UCLから中3日という強行日程を踏まえて、クラウディオ・ラニエリ監督はエースFWジェイミー・ヴァルディを温存。イスラム・スリマニと岡崎の2トップで挑んだ。この組み合わせは今季初の試みだったが、新たなコンビネーションは予想以上にうまく機能したと言っていい。
この日のレスターは、長身のスリマニが最前線に位置し、岡崎がセカンドトップに入って4-2-3-1のような形になるのがベースだった。が、彼らは臨機応変にポジションを入れ替えたり、横に並んだりして、柔軟に役割を変化させていた。ヴァルディと組む時の岡崎は「完全な黒子役」に徹することを求められるが、スリマニとなら、お互いがそれぞれゴール前に出て行って得点を狙えそうなチャンスが生まれる。
例えば、前半42分のアフメド・ムサの先制点のシーン。ペナルティエリア左寄りのところでスリマニ→岡崎→スリマニとボールがつながり、中央に飛び込んできたムサがシュートを決める形だったものの、相手のマークがズレていたら、2人のいずれがフィニッシュに行くことも可能だった。あるいは、ムサのシュートが相手DFに当たっていたら、スリマニか岡崎がこぼれ球に詰めてゴールを決めていただろう。それだけ厚みのある攻めだった。
岡崎の得点シーンにしても、左からの崩しに岡崎が1回関与し、ダニエル・ドリンクウォーターがクロスを上げた瞬間、ファーからスリマニが飛び込んだ。これはDFにクリアされが、そこに詰めた岡崎が豪快に右足を振り抜いた。最初のクロスがうまく合えばスリマニの得点になっていたはずだが、岡崎は持ち前の泥臭さと貪欲さを前面に押し出し、こぼれ球に確実に反応した。このプレーを見ても、スリマニと岡崎の「あうんの呼吸」が感じられる。昨季からヴァルディ頼みだったレスターに、新たな2トップのオプションが生まれたのは、ラニエリ監督にとっても非常に大きな収穫だったに違いない。
その後、クリスティアン・フクスがリスタートから目の覚めるような3点目奪い、最終的にレスターは3-1で快勝。プレミアリーグでは9月17日のバーンリー戦以来、4試合ぶりの白星を手に入れた。順位も12位と前節から1つ上げることに成功。ようやく下位脱出の希望も見えてきた。
UCLの方はここまでクラブ・ブルージュ、FCポルト、コペンハーゲンに3連勝し、G組首位を走っているだけに、グループ突破が決まるまではヴァルディをFWの軸に据え続けるはず。ただ、UCLとプレミアリーグの過密日程が続く12月までは、昨季後半のようなメンバー固定に踏み切ることはないだろう。この先もヴァルディとスリマニが中心なのは変わらないと見られるが、岡崎もローテーションの一角に加わる可能性は一気に高まった。
今後のレスターの対戦カードを見ると、10月は29日のトッテナム戦のみだが、11月に入ると2日のUCL・コペンハーゲン戦、6日のウエストブロミッチ戦、インターナショナルブレイク明けの19日にはワトフォード戦、22日のUCL・ブルージュ戦、26日のミドルスブラ戦というハードなスケジュールを強いられる。となれば、やはり決まったメンバーだけで全ての乗り切るのは困難だ。そういう中、岡崎が要所要所で今回のクリスタルパレス戦のような躍動感を示してくれれば、チームの流れも変わってくる。ラニエリ監督もそれだけ大きな手ごたえをつかんだはずだ。
ヴァルディとリヤド・マレズという昨季の2大得点源が前年のようなゴールラッシュを見せられないでいる中、チームとしても新たな得点源を作らなければならないのは確か。スリマニはその重要な1人になりつつあるが、岡崎も点取屋として積み重ねてきた経験と感覚がある。これまでは「自分にはゴールは求められていない」と本人も違和感を抱き続けていたが、この日を境に託される役割に微妙な変化が起こりそうだ。岡崎を得点源の1人と位置付けるムードが高まっていけば、彼のチャンスも増えるし、数字も着実に上がっていくだろう。そういう前向きな方向に行ってくれれば、日本サッカー界にとっても朗報だ。
岡崎慎司の逆襲に注目しながら、今後のUCLとプレミアリーグを興味深く見守りたい。
http://www.jsports.co.jp/press/article/N2016102411510302_2.html
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