1: YG防衛軍 ★@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 18:41:13.66 ID:CAP_USER*.net
メッシは今もバルサで学んだ「ウイング理論」を実践している。
昨今、日本サッカー界では空前のポゼッション信仰が巻き起こっていたが(今はその熱がすっかり冷めかけている)、
“ボールをつなぐためのつなぎ”になってしまう傾向も強かった。最終ラインで振り子のような曲線を描いて
ボールをつなぐだけ。それはポゼッションとは呼べない代物だった。
ポゼッションをポゼッションとして完成させるために足りなかったのは、ウイングというポジションだろう。
「ウイングなしではフットボールは成り立たない」
バルセロナの基礎を築いたかのヨハン・クライフはその重要性を説いている。1988年に監督に就任した
クライフのテコ入れがバックボーンとなって、バルサが生んだ集大成的な選手が、なにを隠そうリオネル・メッシだった。
いまやメッシはウイングという枠を逸脱した全知全能のアタッカーになったが、「サイドでプレーすることで
チームに幅を与える。また、一人で仕掛けることによって敵の守備網にダメージを与えつつ、中央の攻撃を有効にする」
というバルサのカンテラで叩き込まれたウイングの基本理念と役目を、今も実践している。
どんなにボールスキルの高い選手を揃えて、高速パスをつなぎ続けても、回すだけでは相手のプレッシングに
どこかではめられてしまう。それを打開するには、ギリギリまでピッチの横幅を使い、ボールを持って仕掛けることで
敵の守備陣形を撓ませ、さらに中央の攻撃を活性化させる、というウイングが担うプレーが不可欠となる。
横の揺さぶりがあってこそ、相手も対応に苦慮するのだ。
「ウイングの育成には我慢も必要。受け身になると脆弱性も含んでいるからね。このポジションを熟成するには、
専門的な知識やトレーニングが求められるだろう」
かつてそう語っていたのは、スポルティング・リスボンの下部組織の指導者だった。スポルティングはこれまでに
パウロ・フットレ、ルイス・フィーゴ、リカルド・クアレスマ、クリスチアーノ・ロナウド、ナニなど名だたるウインガーたちを
輩出したことで知られる。クラブは野放図にドリブルが得意な選手を好んでプレーさせてきたわけではない。
ウイングというポジションの選手の能力を意図的に進化させてきたのだ。
ウイングの役回りは、タッチライン際という局面において、1対1や2対2あるいは2対3をいかに打開するか、にある。
サッカーの中でも特殊なポジションで、敏捷性や勘の良さという野性と技術の洗練が必要になる。単独の突破力、
そして連携を成立させるためのインテリジェンスが不可欠だ。
進化を続けるモダンサッカーにおいてウイングは、“過去の遺物”のように捉えられることもある。
しかしその革新にこそ、ポゼッション型アタッキングフットボールの未来があるのだ。
ウイングの役割はポゼッションに唯一無二の光明を与える。一方でウイングプレーヤーも、ボールを大事にする
チームでなければ「守備力が足りない」と切り捨てられ、その価値の半分近くを失ってしまう。
すなわち、ウイングとポゼッションはいわば一心同体なのだ。相思相愛で離れがたい間柄と言える。余談だが、
バルサがスポルティングと強いパイプを持っていることは必然かもしれない。
翻って日本は、サイドバックにもウイングにも人材が乏しく、一方で混血種のようなウイングバックが多い。
ウイングバックはどちらの性格も兼ねた存在にも映るが、ポゼッション重視の攻撃サッカーを完成させる
パーツにはならないと言われる。拙著『「戦術」への挑戦状』で記していることだが、クライフに至っては
ウイングバックの“撲滅”を強く訴えているほどだ。
Jリーグでは、FC東京の石川直宏がウインガーの条件に当てはまるだろうか。また横浜F・マリノスの齋藤学、
浦和レッズの関根貴大もサイドでボールを持ち出すときにはウイングの匂いが濃密に漂う。
決してボールをこね回さず、周りをタイミング良く使えるし、鋭い切り返しで縦も中も突ける。
さらにFC東京の水沼宏太も、クロス精度に定評があるうえ、幅を使いながら周りと呼吸を合わせる上手く、
ウイングの素質を持っている。
日本サッカーにも、ウイングの育成と台頭を待望する。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160211-00010004-sdigestw-socc&p=2
昨今、日本サッカー界では空前のポゼッション信仰が巻き起こっていたが(今はその熱がすっかり冷めかけている)、
“ボールをつなぐためのつなぎ”になってしまう傾向も強かった。最終ラインで振り子のような曲線を描いて
ボールをつなぐだけ。それはポゼッションとは呼べない代物だった。
ポゼッションをポゼッションとして完成させるために足りなかったのは、ウイングというポジションだろう。
「ウイングなしではフットボールは成り立たない」
バルセロナの基礎を築いたかのヨハン・クライフはその重要性を説いている。1988年に監督に就任した
クライフのテコ入れがバックボーンとなって、バルサが生んだ集大成的な選手が、なにを隠そうリオネル・メッシだった。
いまやメッシはウイングという枠を逸脱した全知全能のアタッカーになったが、「サイドでプレーすることで
チームに幅を与える。また、一人で仕掛けることによって敵の守備網にダメージを与えつつ、中央の攻撃を有効にする」
というバルサのカンテラで叩き込まれたウイングの基本理念と役目を、今も実践している。
どんなにボールスキルの高い選手を揃えて、高速パスをつなぎ続けても、回すだけでは相手のプレッシングに
どこかではめられてしまう。それを打開するには、ギリギリまでピッチの横幅を使い、ボールを持って仕掛けることで
敵の守備陣形を撓ませ、さらに中央の攻撃を活性化させる、というウイングが担うプレーが不可欠となる。
横の揺さぶりがあってこそ、相手も対応に苦慮するのだ。
「ウイングの育成には我慢も必要。受け身になると脆弱性も含んでいるからね。このポジションを熟成するには、
専門的な知識やトレーニングが求められるだろう」
かつてそう語っていたのは、スポルティング・リスボンの下部組織の指導者だった。スポルティングはこれまでに
パウロ・フットレ、ルイス・フィーゴ、リカルド・クアレスマ、クリスチアーノ・ロナウド、ナニなど名だたるウインガーたちを
輩出したことで知られる。クラブは野放図にドリブルが得意な選手を好んでプレーさせてきたわけではない。
ウイングというポジションの選手の能力を意図的に進化させてきたのだ。
ウイングの役回りは、タッチライン際という局面において、1対1や2対2あるいは2対3をいかに打開するか、にある。
サッカーの中でも特殊なポジションで、敏捷性や勘の良さという野性と技術の洗練が必要になる。単独の突破力、
そして連携を成立させるためのインテリジェンスが不可欠だ。
進化を続けるモダンサッカーにおいてウイングは、“過去の遺物”のように捉えられることもある。
しかしその革新にこそ、ポゼッション型アタッキングフットボールの未来があるのだ。
ウイングの役割はポゼッションに唯一無二の光明を与える。一方でウイングプレーヤーも、ボールを大事にする
チームでなければ「守備力が足りない」と切り捨てられ、その価値の半分近くを失ってしまう。
すなわち、ウイングとポゼッションはいわば一心同体なのだ。相思相愛で離れがたい間柄と言える。余談だが、
バルサがスポルティングと強いパイプを持っていることは必然かもしれない。
翻って日本は、サイドバックにもウイングにも人材が乏しく、一方で混血種のようなウイングバックが多い。
ウイングバックはどちらの性格も兼ねた存在にも映るが、ポゼッション重視の攻撃サッカーを完成させる
パーツにはならないと言われる。拙著『「戦術」への挑戦状』で記していることだが、クライフに至っては
ウイングバックの“撲滅”を強く訴えているほどだ。
Jリーグでは、FC東京の石川直宏がウインガーの条件に当てはまるだろうか。また横浜F・マリノスの齋藤学、
浦和レッズの関根貴大もサイドでボールを持ち出すときにはウイングの匂いが濃密に漂う。
決してボールをこね回さず、周りをタイミング良く使えるし、鋭い切り返しで縦も中も突ける。
さらにFC東京の水沼宏太も、クロス精度に定評があるうえ、幅を使いながら周りと呼吸を合わせる上手く、
ウイングの素質を持っている。
日本サッカーにも、ウイングの育成と台頭を待望する。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160211-00010004-sdigestw-socc&p=2
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