1: YG防衛軍 ★ 2017/01/09(月) 17:16:30.95 ID:CAP_USER9

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【大西純一の真相・深層】川崎Fの悲願の初タイトルはならなかった。リーグ戦はCS準決勝で鹿島に敗れ、天皇杯も決勝で再び鹿島に敗れた。鹿島が19個目のタイトルを手にしたのと対照的に川崎Fは7度目の「2位」だった。

 天皇杯決勝で敗れた瞬間に思い浮かんだのは、ドーハの悲劇だった。1993年10月、カタールのドーハで開催されたW杯米国大会アジア最終予選だ。最終戦でイラクに勝てば初の本大会出場が決まる。オフト監督に率いられた日本は2―1とリードして終盤戦に突入していた。だが、アディショナルタイムにCKからイラクに同点ゴールを決められて引き分け。あと17秒が耐えられず、本大会切符を逃した。

 終盤の日本は今ではスタンダードになった「時間の使い方」や「リスクマネジメント」がまだ甘かった。日本ボールになって簡単に攻めてシュートし、相手にボールを渡したり、CKでショートコーナーのケアが全くできていなかった。その後4年間でJリーグが日本に定着して選手個々の技術が上がり、チームとしての戦い方もレベルアップした。

 日本代表も日本中のサッカーファンからのプレッシャーを背負い、W杯予選中に加茂監督が更迭されたり、サポーターに厳しい声を浴びせられたりしながら“試練”を乗り越えて本大会出場をつかんだ。その後は開催国として予選免除だった02年日韓大会を含めて5大会連続出場を果たしている。チームとして予選を突破した国にしかわからない「予選の突破の仕方」が身についたのだと思う。

 鹿島と川崎Fの19対0の差もこれだと思う。鹿島の小笠原が「鹿島は昔から強かったわけではない。タイトルを取って強くなった。勝たなければわからないことがあるので、それを後輩にも伝えていきたい」と言っていた。戦力的に差がない鹿島と川崎Fがタイトルを懸けて対戦し、二度とも同じ結果となったのは偶然ではない。小笠原が言うとおり「優勝経験の有無」が大きい。川崎Fも一度優勝すれば戦力的にもサッカーの質からも何度もタイトルを取れるチームだと思う。禅問答のようだが、優勝するためには早く一度優勝を経験することだ。

 昨年もここ一番でケガ人が出て取りこぼすなど、計算が狂うことが何度もあった。用意周到に準備しても、まだまだ何が起こるかわからない。これでもかと言うぐらいやらないと駄目なのかもしれない。

 日本代表がドーハの後、苦しんだ末に4年後にジョホールバルの歓喜に結びつけたようにように、とてつもなく大きなエネルギーが必要だ。運もいる。おそらく犠牲も伴うかもしれない。今年こそ、殻を破ってほしい。(専門委員)

 ◆大西 純一(おおにし・じゅんいち)1957年、東京都生まれ。中学1年からサッカーを始める。81年にスポニチに入社し、サッカー担当、プロ野球担当を経て、91年から再びサッカー担当。Jリーグ開幕、ドーハの悲劇、ジョホールバルの歓喜、W杯フランス大会、バルセロナ五輪などを取材。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170109-00000081-spnannex-socc

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