不振から抜け出せないリバプール

　ドルトムントのユルゲン・クロップ前監督が、リバプールに就任する上でクラブ側に譲れない条件を
提示していることを英地元紙「デイリー・メール」が報じている。

　今夏、リバプールは約146億円を移籍市場に投資し、大型改革を行った。
しかし現在、リーグ戦3勝2分2敗で8位と、振るわない成績となっており、試合内容も単調な展開が続いており、
ブレンダン・ロジャース監督に対しての風当たりは日を増して強まっている。

　オーナーを務めるジョン・ヘンリー氏は、既にロジャース監督を見切る意向にあり、
昨季までドルトムントを率いていたクロップ氏にオファーを提示していると伝えられていた。

　クロップ氏は2008年から7年間、ドルトムントを指揮し、ブンデス2連覇やドイツ杯優勝、
欧州チャンピオンズリーグで準優勝に導くなど、クラブの黄金期を築いた。


クロップが提示するクラブの病巣の排除


　既に2度、リバプールからのオファーを固辞したとも伝えられていたが、
クロップ側が提示している就任の条件はクラブの移籍委員会の撤廃と移籍関連の全権限の掌握だという。
現在、リバプールでは選手の補強に関して、委員会が主な決定権を持つ。
このため、指揮官の意向にそぐわない選手を与えられるケースや、絶対慰留と主張する選手が
放出されるという不幸な状況がこれまでアンフィールドでは生まれてきた。
リバプールの長年の問題点とも呼ばれているチーム強化における“病巣”を排除し、
アーセナルのアーセン・ベンゲル監督のような全権監督という条件を受け入れた場合のみ、
リバプール監督就任を検討すると、レポートされている。

　リバプールは昨季も大型補強を行ったものの、序盤から低迷しトップ4入りを逃す結果に。
今季もここまで結果が出ていないことから、就任4年目でいまだ無冠のロジャース監督を見切り、
日本代表MF香川真司ら逸材を開花させてきた名将クロップ氏に全権を一任するという、
大胆な改革に踏み切る必要があるのかもしれない。

http://www.soccermagazine-zone.com/archives/16587/2